パキシルは副作用が怖いと言いますが、実際のところどういったものが現れるのでしょうか?

パキシルの副作用は怖い?

パキシルは、同じSSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)と同じような副作用が起こる可能性があります。たとえば比較的よく見られるのは眠気が強くなったり、めまいや頭痛がしたり吐き気、便秘が起こったりといったものです。また、ごくごくまれに、体調や体質によっては重篤な副作用が現れることもあります。

いずれも油断禁物ですが、とはいえ「副作用がある」ということにとらわれすぎる必要はありません。

異常が見られた場合には病院で医師に診てもらう必要がありますが、副作用のリスクは正しい用法用量を心がけて薬を飲むことで抑えることができます。

ちなみに、よく見られる眠気やめまい、頭痛などは程度が軽いのがほとんどです。あまり心配し過ぎる必要はないといえるでしょう。

どのような副作用があるか?

上にも挙げているように、パキシルの副作用として考えられるのは眠気やめまい、頭痛や吐き気、便秘といったもの。また、まれにセロトニン症候群や肝機能障害といった重篤な副作用が現れる場合もあります。

以下、詳しく見てみましょう。

眠気

さまざまな薬の副作用として挙げられることがある「眠気」。ひと昔前までは、風邪薬や花粉症の薬と眠気は切り離せない関係にありました(最近では眠気を感じないものもあるようです)。

パキシルなどのSSRIもまた、眠気が副作用として挙げられます。

その原因は諸説ありますが、「夜の眠りが浅くなってしまうために昼間眠くなってしまう」「抗ヒスタミン作用によって眠気が起きる」といったことが考えられます。抗ヒスタミン作用とは鎮静作用のことで、心や体が静まった結果、眠気がやってくるというメカニズムがあります。

めまい

頭がクラクラして、一瞬目の焦点が合わなくなってしまう「めまい」は、パキシルなどのSSRIでよくみられる副作用のひとつです。特に、座った状態から急に立ち上がるときなどに起こる「起立性障害」というタイプのめまいが多いようです。座ったり、寝たりした状態から体を起こすときはパッと立ち上がらず、余裕をもってゆっくりと頭を上げ、体を起こすことを心がけましょう。

頭痛

SSRIの、いわば宿命というべき副作用が「頭痛」です。頭痛が起こる理由が100%解明されているわけではありませんが、神経伝達物質のセロトニンが増えることが理由であるという説が有力です。

セロトニンが増えると心の高ぶりが抑えられますが、同時に頭部の毛細血管が収縮します。そして、セロトニンが最終的に分解されると再び毛細血管がもとの太さに戻りますが、このときに血管が周囲の神経や組織を圧迫した結果、頭痛が起こると考えられます。

吐き気

特に、パキシルの飲みはじめの時期に起こることが多い副作用です。吐き気にはならないものの、胸がムカムカするという状態になることも少なくありません。

とはいえ、症状はそれほど深刻に発展せず、薬に慣れれば2~3日でおさまるのが一般的です。

ただ、人によっては軽いムカつきや吐き気でも負担になることがあるでしょう。そのような場合には、吐き気を止める効果がある市販の胃腸薬などを使用することをおすすめします。

便秘

パキシルは、飲みはじめの時期などに自律神経のバランスを崩してしまう可能性があります。その結果として起こるのが便秘です(めまいも同じメカニズムで起こるとされています)。

ただし、この便秘は、たとえば「吐き気があるときに胃腸薬を飲む」というような特別なことをしなくても解消することが可能です。お通じがよくなるような食物繊維が豊富な食べ物を積極的にとること、また適度な運動を心がけて腸を刺激することで改善することができます。

重大な副作用

医薬品とは、言うまでもなく人を健康にするために存在するものですが、飲む人の体調や体質、また飲むタイミングによっては重篤な副作用によって健康被害を及ぼすことがあります。

ここでは、そのような重篤な副作用について解説していきたいと思います。

たとえば、「セロトニン症候群」「肝機能障害」といった副作用が考えられます。

セロトニン症候群は、SSRIの主な働きである「脳内のセロトニン量を増やす」ということが諸刃の剣となって刺さってくる副作用です。セロトニンが増えることで、さまざまな症状が現れます。

一方、肝機能障害とは、具体的には肝臓の機能低下です。

肝臓は、体内に取り込まれる有害物質の分解などを行う、替えの効かないなくてはならない臓器のひとつですが、その機能が低下してしまう場合があります。

このような副作用に発展しないよう、飲み方には注意する必要があります。

セロトニン症候群

セロトニン症候群は、すでに書いたように脳内のセロトニン量が増えることで起こる副作用です。

さまざまな症状が現れますが、代表的なところでは体温が異常に上がったり高血圧になったり、動悸が激しくなったりといった自律神経のバランスが崩れることで起こるもの、また痙攣などの「ミオクローヌス(不随意運動)」が現れることもあります。

このような副作用にならないようにするためには、パキシルの用法用量を守ること、併用禁忌薬・併用注意薬についてあらかじめしっかり確認しておくことなどが挙げられます。

セロトニン症候群はパキシルの過剰摂取、またモノアミン酸化酵素阻害剤(パーキンソン病の薬)やデキストロメトルファン(咳止め)、セントジョーンズワート(抑うつ状態を改善する効果があるとされるハーブ)との併用に注意すべきとされています。服用の際には気をつけましょう。

肝機能障害

薬の有効成分は体内に取り込まれ、その役割を果たしたあとで分解されますが、分解を担当する内臓器官に少なからず負担をかけることがあります。

パキシルをはじめとするSSRIの場合、その有効成分であるパロキセチンの分解を担当するのは肝臓です。

肝臓に負担をかけた結果、その機能が著しく低下する肝機能障害を発症することがあります。

パキシルによって考えられる重篤な副作用のひとつです。

肝臓機能の低下が見られた際には、医師の指導のもとで減薬、あるいは服用を中止しましょう。

肝臓ではなく腎臓で分解される抗うつ剤もあるということから、薬を切り替えるという方法も考えられます。

また、もともと肝臓が弱い方はパキシルを飲むことで肝機能障害を悪化させる可能性があります。その点も注意すべきといえるでしょう。

自殺衝動が起きる

パキシルを服用することで、自殺の誘惑に駆られてしまうということが起こる可能性があります。過去に自殺未遂をしたことがある人、そのような思いがあることを自覚していることがある人は注意が必要です。

特に、18歳未満の人が服用する際には重ね重ねの注意が欠かせません。

現在でこそ「注意しましょう」レベルにとどまっていますが、かつては「18歳未満に与えることは原則禁止」とされるほど、特に若年層に自殺衝動を起こさせる可能性があると見なされていました。

パキシルの服用に際しては、服用する本人だけでなくまわりも注視して、悲劇が起こらないように心を配る必要があります。